2008年のリーマンショック後、「なぜ世の中はこんなにも急速に景気が悪くなるのだろう?」という疑問を持ったことが、私のFXの旅の始まりでした。その疑問を解消するために、相場全体の勉強を始め、やがてFXに手を出すようになりました。
最初の頃は、チャートを見ながらアノマリーを見つけ出そうと、エクセルで曜日ごとの変動率をグラフ化したり、無料セミナーにも積極的に参加したりしていました。情報収集はラジオ日経やモーニングサテライト、さらには数十冊の本も購入、MT4には何重ものテクニカルチャートを表示させていました。また、ほぼ全てのブローカーで口座を開設、その時のキャッシュバックキャンペーンだけでも20万円ほど稼げたのは、今でも良い思い出です。
2011年3月11日の東日本大震災。当時、円安に振れた後、急激な円高が訪れたのを今でも覚えています。日本が大きな経常黒字を抱えており、震災復興のためにレパトリ(資金の国内還流)が予測されていました。そんな中での日本を支援する名目の円売り協調介入で、FRBやECBの実弾の少なさには正直失望しました。
こうした経験から相場観を身につけましたが、サラリーマンとしての業務も忙しく、FXはなかなか継続できませんでした。正直、残業をして安定した収入を得る方が、リスクを取るよりも安全だと感じることもありました。そのため、しばらくはFXから離れていた時期もあります。
2015年、大きな出費があり、それを埋めるために再びFXに挑戦することにしました。今度はMT4のEA(Expert Advisor)を使った自動売買に取り組むことにしました。戦略としては、大きく動いた時に負けない順張りピラミッディング両建て手法のEAを作成することに専念しました。2ch(現5ch)では「ピンポン投資法」とも呼ばれていた手法で、特に欧州時間前にオーダーを入れると良いとされていました。
この手法は第1期でイメージを掴んでいたため、EA化するためにプログラミングに励みました。ユーロドルを対象に動かし、一定の成功を収めましたが、ヨコヨコの相場からの逆ペナントでポジションが膨らみ、その時、モチベーションが切れてしまいました。しかし、良かった点もあります。プログラミングが全くできなかった私が、他人のソースをコピペして改造し、トレードができるところまで成長できたことです。これを「第2期」と名付けました。
そして2020年、私は第3期に突入しました。この時、心に決めたのは「続けること!」。まずはモーニングサテライトを視聴する習慣を復活させ、毎朝5時40分にアラームをセットして、コーヒーを飲みながら最初の15分をしっかり見て相場観を取り戻しました。
さらに、プログラミングの勉強にも力を入れ、C言語の本を読み、公開されているEAのソースを何度も見返しました。特に研究したのは「TrapRepeatIFD.mq4」というEA。マジックナンバーを数列にセットしてポジションを管理する方法や、発注部分やリピート部分が関数として書かれている点が非常に参考になりました。
この第3期は4年半が経過しましたが、現時点ではまだ利益を出して納税する段階には至っていません。確定申告では損失を繰り越すことが多く、ユーロドルの股裂け状態を解決する糸口も見つかっていません。しかし、「続けること」だけは守り続けたいと思っています。